
はじめに
ボディメイクの世界では、つい「体重が減った・増えた」という数値に目を奪われがちです。
しかし本当に大事なのは、数字ではなく**「見た目の変化」**です。
トレーニングを始めようと思ったきっかけも、服を綺麗に(カッコよく)着たい、絞れた身体になりたい、健康な身体にしたい、などの目的があったはずです。その目安として体重がある訳ですが、筋肉の質量は脂肪より大きいため、同じ体重でも見え方が違う訳です。そのため、筋トレを通した体づくりは、体重のみに重きを置かずに、しっかりと目的を果たすための方法として捉えて進めましょう。
そして、筋肉を育てながら脂肪を落とすには、
- 正しいトレーニング
- 適切な食事管理
-
正しいマインドセット
が必須です。
この記事では、筋肉を増やしながら脂肪を落とす方法を、深く具体的に、そして数字に振り回されずに成功するための考え方まで徹底解説していきます。
1. 「体重管理」がボディメイクを狂わせる理由
1-1. 体重は体組成を反映していない
体重には、
- 筋肉
- 脂肪
- 骨
- 水分
- 内臓 など、すべてが含まれます。
たとえば筋肉は脂肪より約20%重いため、引き締まったのに体重が増えるという現象はよくあります。
体重減少をゴールに設定してしまうと、筋肉が落ちても喜んでしまう危険性があるのです。
1-2. 1〜2kgの増減は普通に起こる
水分量や腸内の内容物だけで、1〜2kgの体重差は普通に起こります。
- 塩分を多く摂った翌日はむくみで増える
- 汗をかいた日は減る
- 女性なら生理周期でも1〜2kg増減する
だから、日単位での体重の変化に一喜一憂する必要はありません。
2. 筋肉を増やしながら脂肪を落とす基本戦略
2-1. トレーニング:筋トレを主軸に
有酸素運動では筋肉を守れません。
脂肪を落としながらも体のラインを美しく保つためには、筋トレが不可欠です。
特に重視すべきは、
- 大筋群(脚・背中・胸)を鍛える
- 複合関節種目(スクワット・デッドリフト・ベンチプレスなど)
- 漸進性過負荷(徐々に重さや回数を増やす)
筋肉を「維持」するだけでなく、「育てる」意識を持ちましょう。
2-2. 食事管理:減らすのではなく最適化
カロリーを単純に減らしすぎると、
→ 筋肉も脂肪も一緒に減少してしまいます。
そこで重要なのは、
- たんぱく質は積極的に摂取(体重1kgあたり1.6〜2.2g)
- 炭水化物は「控える」のではなく「使い方を考える」
-
- トレーニング前後には炭水化物を摂って、パフォーマンスと回復を支える
- 脂質もゼロにせず、ホルモンバランスを保つ量(体重1kgあたり0.8〜1.0g程度)を確保
つまり「減らす」ではなく、「賢く整える」が正解です。
2-3. 有酸素運動の位置付け
有酸素運動は、
- 心肺機能向上
- 消費カロリー増 には役立ちますが、やりすぎると筋肉も分解されやすくなります。
適切な頻度・時間は、
- 週2〜3回
- 20〜30分程度(ウォーキングや軽いジョギング)
「筋トレありき」で、有酸素運動は補助的に考えましょう。

3. 具体的なトレーニングプログラム例 (フリーウエイト)
【パターン①】全身を満遍なく鍛える「全身法(フルボディワークアウト)」
特徴
- 1回のトレーニングで全身を刺激
- 忙しい人、初心者〜中級者向け
- バーベル・ダンベル・自重のみで完結
- 週3回(例:月・水・金)
フリーウエイトメニュー例(週3回)
【Day1・Day2・Day3 共通メニュー】
-
バックスクワット(脚・お尻・体幹)
3セット × 8〜10回
(バーベルが重すぎる場合はダンベルゴブレットスクワットも可) -
デッドリフト(背中・お尻・脚)
3セット × 6〜8回 -
ベンチプレス(胸・肩・腕)
3セット × 8〜10回 -
ワンハンドダンベルロウ(背中・腕)
片側3セット × 10回 -
ダンベルショルダープレス(肩)
3セット × 10〜12回 -
自重プランク(体幹・腹筋)
3セット × 30秒〜1分
ポイント
- 1回60〜75分以内
- セット間の休憩は60〜90秒
- フォーム重視。バーベルが無理な場合はダンベル種目へ柔軟に切り替えOK
【パターン②】部位別に鍛える「スプリットルーティン」
特徴
- 1日ごとに鍛える部位を分ける
- トレーニング中級者以上におすすめ
- バーベル・ダンベル・自重だけで完結
- 週4〜6回が理想
フリーウエイトスプリットメニュー例(週5回)
【Day1:胸・二頭筋(押す+腕前面)】
- ベンチプレス 4セット × 8回
- インクラインダンベルプレス 3セット × 10回
- ダンベルフライ 3セット × 12回
- ダンベルカール(腕前面) 3セット × 12回
- コンセントレーションカール 2セット × 15回
【Day2:背中・三頭筋(引く+腕後面)】
- デッドリフト 4セット × 6回
- ワンハンドダンベルロウ 3セット × 10回
- ダンベルベントオーバーロウ 3セット × 10回
- フレンチプレス(ダンベルで頭上から肘伸展)3セット × 12回
- キックバック(ダンベル三頭筋狙い)3セット × 15回
【Day3:休息 or 軽い有酸素(ウォーキング)】
【Day4:脚・お尻】
- バックスクワット 4セット × 8回
- ブルガリアンスクワット(ダンベル)3セット × 10回/脚
- ヒップスラスト(バーベル)4セット × 12回
- カーフレイズ(ダンベル持ち)3セット × 20回
【Day5:肩・腹筋】
- ダンベルショルダープレス 4セット × 8回
- サイドレイズ(ダンベル)3セット × 15回
- リアレイズ(ダンベル)3セット × 15回
- プランク 3セット × 1分
- ロシアンツイスト(自重・ダンベル持ち)3セット × 20回
【Day6:休息 or 有酸素】
【Day7:自由日(弱点部位補強 or ストレッチ・リカバリー)】
ポイント
- 全種目「バーベル・ダンベル・自重」のみ
- 1回あたり60〜75分以内
- セット間休憩は90〜120秒(高重量の場合)
使い分け
項目 |
全身法(フルボディ) |
スプリットルーティン |
トレーニング頻度 |
週3回程度 |
週4〜6回程度 |
1回の時間 |
約60分 |
約60〜75分 |
特徴 |
短時間・全身刺激 |
ボリューム高め、部位集中 |
特に向いている ケース |
忙しい人、トレーニング初心者〜中級者 |
トレーニング習慣ありの中級者以上 |
ボディメイク成功のためには、バランスよく全身を鍛えることが必須です。
4. 数字に縛られず、ボディメイクを成功させる考え方
4-1. 見た目に焦点を当てる
体重ではなく、鏡などで自分の体をチェックしましょう。
キャリパーなどで皮下脂肪を摘むのも良いと思います。
例えば
- ウエストの引き締まり
- ヒップの丸み
- 肩周りや腕のライン
体重がどうであれ見た目に変化が生じていれば正しい方向に進んでいる可能性が高いです。
前述したように、筋肉が増加し脂肪が低下した場合、体重は横ばいまたは増加するケースもあります。特に、元のBMI指数が正常値に近い、または低い人はこの傾向にあります。
4-2. 体感(パフォーマンス)を重視する
- トレーニングの重さが増えた
- セット数をこなせるようになった
- 疲れにくくなった
こういった**「できるようになったこと」**をモチベーションにしましょう。
数字よりも、日々の成長体感を積み重ねるほうが、確実に結果に結びつきます。
4-3. 短期の結果を求めない
筋肉が増え、脂肪が落ち、見た目が変わるまでには最低でも3〜6ヶ月かかります。
だからこそ、
- 毎月1回、ビフォーアフター写真を撮る
- 3ヶ月ごとに総括する というスタンスが大切。
「今日明日の体重増減で焦る」のは絶対に避けましょう。
5. ボディメイクを成功させるために必要なこと
5-1. 栄養タイミングを工夫する
- トレーニング前2時間に炭水化物+たんぱく質
- トレーニング後30分以内にプロテイン+速攻吸収の炭水化物
栄養摂取のタイミングを意識するだけで、筋肉の成長スピードは格段に上がります。
5-2. 睡眠を最優先する
筋肉はトレーニング中ではなく、寝ている間に育つもの。
理想は7〜9時間の質の高い睡眠です。
寝る前にスマホを控え、部屋を暗く静かにするだけでも、睡眠の質が向上します。
5-3. メンタル管理をする
- 完璧を求めすぎない
- 小さな達成を喜ぶ
- 自分と他人を比べない
ボディメイクは「心の持ちよう」が成否を分けます。
ストレスを溜めすぎず、前向きな気持ちで続ける工夫も大切です。
6. ボディメイク中によくある悩みQ&A
Q1. 「体重が増えました。失敗でしょうか?」
A:失敗ではありません。むしろ良い兆候かもしれません。
筋トレを始めたばかりのころは、
- 筋肉量が増える
- 水分保持量が増える(筋グリコーゲンが増えるため) ことで、一時的に体重が増えるのはよくあることです。
体脂肪率や鏡での見た目が改善しているなら、体重増加は問題ありません。
数字に惑わされず、「見た目」「体感」に目を向けましょう。
Q2. 「筋肉も脂肪も減っている気がします」
A:食事量不足・トレーニング負荷不足の可能性大です。
筋肉を残して脂肪だけを落とすには、
- 十分なたんぱく質摂取
-
筋トレでの刺激
が必須です。
もし筋肉も落ちているようなら、
✅トレーニング強度(重量・回数)を上げる
✅食事にもう少し炭水化物を戻す
これらを試してみましょう。
Q3. 「停滞して体の変化が止まりました」
A:慌てず、アプローチを微調整しましょう。
停滞期は誰にでも訪れます。
体は変化に適応しようとするため、一定期間経つと結果が頭打ちになります。
そんなときは、
- トレーニング種目・回数・負荷を変える
- 摂取カロリーや栄養バランスを微調整する
- 有酸素運動の頻度を見直す
小さな変化で再び体に刺激を与えましょう。
「焦らず」「試行錯誤する」ことが、ボディメイク成功への近道です。
7. ボディメイク成功を支えるおすすめサプリメント紹介
ボディメイク中は、食事だけで完璧に栄養を補うのが難しいこともあります。
そんなとき、サプリメントを上手に活用することで、より効果的に体作りをサポートできます。
ここでは、本当に効果的なサプリだけを厳選して紹介します。
7-1. プロテイン(ホエイプロテイン)
【目的】
- たんぱく質摂取量を確保しやすくする
- 筋合成を促進
【おすすめタイミング】
- トレーニング後30分以内
- 間食代わりに
【ワンポイント】
吸収が速い「ホエイプロテイン」が基本です。
脂質・糖質が少ない「アイソレート(WPI)」タイプも◎。
7-2. クレアチン
【目的】
- 筋力・パワーアップ
- 筋肉の張り(パンプ)を促進
【おすすめタイミング】
- 毎日5gを、トレーニング後または好きなタイミングで
【ワンポイント】
飲み続けることで体内に蓄積し、筋トレ時の「あと1回」ができる力に変わります。
副作用はほぼなく、安全性も高いです。
7-3. マルチビタミン&ミネラル
【目的】
- 栄養素の不足を補う
- 代謝をサポート
【おすすめタイミング】
- 朝食後など吸収が良いタイミング
【ワンポイント】
特にダイエット中はビタミン・ミネラル不足になりがち。
「体がだるい」「疲れやすい」と感じたら見直しましょう。
7-4. EAA(必須アミノ酸)
【目的】
- 筋分解の防止
- 筋肉合成の促進
【おすすめタイミング】
- トレーニング中のドリンクに混ぜて
【ワンポイント】
特に減量中や長時間のトレーニング時に効果を発揮。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)より広範囲にサポートしてくれます。
8. 最後に:自分のペースで、数字に縛られない体づくりを
ボディメイクは、体重計の数字を減らすゲームではありません。
- 自分自身の「なりたい体」をイメージして
- 数字ではなく「変化」「成長」に目を向けて
- 短期的な結果を焦らず、コツコツ積み重ねていく
これこそが、本当に美しく、そして健康的なボディメイクを成功させる秘訣です。
数字に一喜一憂せずに、あなた自身の変化を楽しみましょう!